【115日目】宮古市(岩手)→釜石市(岩手)《世界遺産:橋野鉄鉱山》
朝目覚めると、
あかん晴れすぎーーー!!!!
今日もひからびながら進む覚悟がいるようです。
本日は距離的には短いですが釜石市まで。
7月頭に登録されたばかりの世界遺産「明治日本の産業革命遺産」のひとつ「橋野鉄鉱山・高炉跡」へ向かいます。
ちなみに場所はここ。
奥羽山脈の山奥にあります。
え?とんでもない!!自転車では行きませんよ!
釜石駅から出てるシャトルバスがあるんです。
それに乗るため釜石を目指します。
「三陸は久慈から宮古までが山場です」
とおととい出会ったお兄さんが言っていた通り、
久慈から宮古までの道のりに比べるとそこまで苦しく感じなくなっていました。
人間の慣れの早さには自分でも驚きます。
釜石に至るまでの道のりで山田町と大槌町を通過しました。
どんどん津波の爪痕が大きくなっているように感じます。
仮設住宅も多い。
驚いたのは、コンビニや商店、農協や郵便局までが仮設なこと。
恐らくこの道の脇にも家やお店が建ち並んでいたはずです。
現実に圧倒されながら進みます。
この辺りからトンネルが増えてきました。
聞いていた通り、とてつもなくホコリっぽい。
視界も悪い。
トラックが運ぶ砂利類が原因です。
危険なトンネルを出て、鼻を噛むと砂が混じっていました。
マジかよ。。。
そして、釜石市に到着!
観光案内所にすぐに向かいました。
「あのー、橋野鉄鉱山行きの観光バスに乗りたいんですが」
「申し訳ございません。観光バスは土日しか運行しておりません」
え…?
完全な調査不足。
今日は木曜日。釜石に無意味に土曜日までいる訳にもいきません。
あ、そうだ!レンタカーを借りよう!
「申し訳ございません。明日、あさってとお貸しする車がございません」
おー。おー。おー。
これで自転車で向かう選択肢のみが残りました。
建物の日陰で考える。
でも後悔する時間は1秒でもムダなので、自転車で行くことを決意。
時刻は14時。ここから30km以上離れているので、今日は釜石で野宿して明日朝イチバンで行こうと計画を立てていると…
通りかかったおじさんに声を掛けていただきました。
今日これまでの経緯の話をしていると、
「僕の地元は世界遺産のある橋野町だから車で案内するよ」
え…?
え?え??えーー!!
まるで図ったかのようなタイミングで、図ったかのような境遇のおじさんと出会う。
こんなことあるんですね。
と、いうことでお言葉に甘えて、
おじさんの車に乗っけていただき、橋野鉄鉱山へと向かいます。
道中、震災のお話をしていたただきました。
この山を削ってできた土地に学校を移設するそうです。
教訓を活かした新たな街づくりが進んでいます。
車で40分ほどで橋野鉄鉱山に到着。
自然遺産以外では珍しく入場料は無料でした。
おじさんは子供の頃はここでよく遊んだそうです。
それだけこの史跡と馴染みがあるので、詳しい解説付きで史跡を巡ることができました。
この世界遺産、正直かなり難易度高いです。
歴史に興味がない方はオススメできません。
「明治日本の産業革命遺産」に入っている他の史跡も、恐らくここと似たものが多いと思います。
おじさんの解説と僕の予習した知識で説明させていただくと、
この橋野鉄鉱山にあった高炉は日本最古の高炉とされています。
高炉とは鉄鉱石から鉄の素である銑鉄を取り出す炉のこと。
それがこの橋野高炉跡なんです。
ちなみに一番から三番まで3つの高炉跡があります。
なぜ、こんな場所に高炉を建てたのか。
それはこのすぐ裏にある山で豊富に鉄鉱石が取れたこと。
それと川が流れていたことです。
川の水は時には動力として、時には冷却するためにと、
非常に重要な役割を果たしていたそうです。
これが水路跡です。
最盛期にはここに1000人もの人が暮らしていたんです。
19世紀後半アヘン戦争で清がイギリスに敗れ、その後黒船が来航するなど、列強諸国から日本は植民地として狙われる立場にありました。
そんな中、国を守るため日本各地で列強諸国に太刀打ちできるような武器や船をつくる技術を急速に進歩させていったそうです。
そのあまりの進歩の早さに諸外国からは “奇跡” と言われていたんだとか。
この高炉は、その日本産業革命の第一歩となった高炉です。
そして、その歴史が日本最古の製鉄所「新日鉄釜石製鐵所」へと繋がるのです。
と、こんなところです。
これねー、ここだけ見ても意味ないんですよね。
全23ヶ所の全てを訪れてこそ面白いと思うんです。
たまたまですが、スタートが橋野鉄鉱山でよかったです。
おじさんには本当にお世話になりました。
ありがとうございました!
縁には本当に感謝です。
釜石市に戻り、
夜は仮設の飲屋街へ。
今日も一日おかげさまの気持ちを大切に。
明日も一日とにかく安全第一。
おやすみなさい!
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