【111日目】久慈市(岩手)→田野畑村(岩手)
本日はまずまずの天候。
くもっていても少し汗ばむ気候。だんだんと本格的に暑さを感じています。
今日まずは岩手の海女さんに会いに小袖海岸に向かいます。
岩手に入ったあたりからやはり道が狭い。
海岸線は特にそうです。
2ヶ月北海道を走ったあとなので余計に感じます。
見通しが悪く、中央線さえ引かれていない道路。
リアス式海岸の断崖絶壁に道が通っているだけありがたい話なんですが。。。
小袖海岸に到着。
日曜日ということもあり、すでに観光客の方々でいっぱいでした。
ずーっとあまちゃんのテーマが流れています。
輪島の「まれ」や余市の「マッサン」のときも思いましたけど、朝ドラの効果ってスゴいっす。
ここでは現役の海女さんが実際に素潜り漁をするところを観ることができます。
海女さんのご登場!
夏休み中ということで高校生の海女さんもいらっしゃいました。
ゴーグルがくもらないように昆布のぬめりをレンズに塗っています。
そして、いざ素潜り!
この日の気温25℃、水温は18℃。
決して水中はあたたかいとは言えないとは思いますが、
さすが海女さんです。
そんなことを感じさせないくらい次々と潜ってウニを穫っていきます。
中でもベテランの海女さんの素潜りの様子は目を奪われます。
足にヒレが付いているのかと思うくらいでした。
約30分ほどの素潜り漁を終えると、みなさん腰に付けたカゴの中に大漁のウニが。
そして、なんと海女さんが穫ってくれたウニをその場で食べれるんです!
僕ももちろんいただきました。
穫れたてのミョウバンの入っていないウニは本当においしい。
海水の塩分が利いているのでそのままでいけます。
今までいろんな漁港や漁村を通ってきましたが、ここまで女性が主役として活躍している場所はなかったように思います。
おもしろスポットでした!
小袖海岸を離れ、三陸海岸を再び南下。
ここから激しい断崖が続くので、海岸を沿っての道はなくなります。
少し内陸に入って、山道を進行。
いよいよ三陸海岸の本領を発揮し出します。
激坂のくり返し。
日も照り出し、すぐに汗ダクのTシャツを捨てたくなる衝動に駆られます。
もう上半身裸でええやん。あかんか。。。
ひとつ峠を越えて集落に到着。
ここでサイクリング中のおじさんに出会いました。
おじさんは久慈からここまでサイクリングして、折り返して帰るところだったようです。
旅の話や今日の行き先の話などをしていると、
「おし、オレも付いていこう」と先導していたただけることに!
前に地元の方がいていただけると、安心感があります。
ただ、おじさんに先導されて気持ち的には楽だったものの、普代村から田野畑村への峠がいかつかった。
本日2つめの峠。
登りきったあとに気づく。
仙台まで三陸海岸を沿って延びる45号線で、一番高い峠だったらしい。。。
目的地はまだまだ先なのに、体力は限界に近いです。
またも一気に下り、田野畑村へ。
ここでおじさんとはお別れ。
ここから帰らなきゃいけないのに。。。おじさん本当にありがとうございました!
田野畑村の道の駅で一旦休憩。
ソフトクリームを食べていると、ご夫婦に声を掛けていただきました。
いろいろお話をしていると、
「上の公園で音楽祭やってるから見ておいで」と教えていただきました。
ご夫婦は音楽祭の主催グループの方だということ。
道の駅の上にある公園では小さな音楽祭が開催していました。
今日が最終日で、夜の20時までやっているようです。
なんだか楽しそう。。。
うん、今日はここで野宿決定!
音楽祭を夜までゆっくり楽しもうかなーと思ったんですが、
お父さんにあるお話を聞きます。
この「SONG OF HEAVEN」という音楽祭は、入場無料のボランティアで開催されている音楽祭。
今年で9年目を迎えたそうです。
ということは、4年前の震災も経験しているということ。
お父さん曰く、この先にある島越(しまのこし)という集落が一番被害が大きかったそうです。
波の高さは20mにも及んだとか。。。
ここに来て、その話を聞いたのも何かの縁。
島越へ行くことに。
「自転車じゃちょっとキツいぞー」とお父さんに言われましたが、
いやいや、どれだけの峠を越えてきたと思っているんですか。
お父さんに道を教えてもらいます。
あの山と山の谷間に島越はあるそうです。
教えてもらった道を進むのですが、
下り坂が続く。
続く。
続く、続く、続く。。。
振り返ると、さっきいた橋があんな高い所に。
ア、アハハハ…。
ま、まあ大丈夫でしょう。
しばらく進むと島越に到着。
島越は小さな漁村でした。
海からかなり奥の方までが更地となっており、
津波のその威力の大きさを物語っています。
不自然に新しいこの観光船乗り場の建物や北リアス線の駅。
もちろん海のそばのものなど根こそぎ持っていかれている訳です。
島越という集落がなぜ被害が大きかったか、
詳しく教えてもらわなくても自分の目で見れば想像できます。
小さな港町の周りは壁のようにそそり立つ断崖。
海水の逃げ場がない地形。
あんな大きな津波が一点に集中すれば、小さな港町はひとたまりもありません。
それでも、こんな穏やかな海からそれを想像するのは、もう空想の域です。信じられない。
島越から元いた場所に戻ります。
えーっとですね。
地 獄 で し た 。
なぜ、荷物を置いていかなかったのか自分を恨む。
足が外れるんじゃないかと感じながら坂を登りきると、そこには新しい家々が建ち並ぶ新しい集落が。
人間は強い。
もし、もしも、また津波が来てもここまでは及びません。
まだ日没まで時間があるため、
少し先にある景勝地の鵜の巣断崖へと向かいます。
ここからは歩いて景勝ポイントまで行きます。
見よ!これが鵜の巣断崖!!
これぞまさにリアス式海岸。
地形を見るだけでいかにこの海岸線を自転車で走ることが厳しいかがわかってもらえるはずです。
鵜の巣断崖を見終えて、道の駅に戻ります。
野外で音楽を聞きながらのビール。
おいしいのは当たり前。
今日も一日おかげさまの気持ちを大切に。
明日も一日とにかく安全第一。
おやすみなさい!
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