【265日目】鹿屋市(鹿児島)
昨日は突然の窮地を有島さんに助っていただき、
本当に助かりました。
昨日の晩は、そのまま泥のように眠りました。。。
ここで有島さんとの出会いについて少し。
有島さんとの出会いは去年の夏。
北海道の最北端の街、稚内に向かう途中でした。
稚内まで縦走して、稚内のライダーハウスにも一緒に泊まりました。
別れる際に、有島さんが
「鹿児島に来たときは連絡してね」とおっしゃってくれたんですが、
その時はまだまだ必死で進んでいた時で、
北海道にいる自分が鹿児島までたどり着く画が想像なんてできませんでした。
今こうして自転車で鹿児島まで来たことが不思議に感じます。
ひとり旅は出会いが本当に多いんですが、
人の縁は不思議なもので、縁がある方とは例え北海道にいようが鹿児島にいようが、いろんなことが合わさって当然のように引き寄せられるんです。
旅で出会った大勢の方の中で、
また会いたいなと思う方はたくさんいますが、この不思議な「縁」という力がなければなぜか会えません。
なので、僕は繋がった縁は大切にしたいといつも感じます。
昨日は夜遅くに突然お邪魔して、有島さんといろいろお話しできなかったので、お願いして今日もここに滞在させていただくことにしました。
有島さんのお宅の隣には別宅があるんですが、なんとそこを旅人に無料で解放しているんです。
普通に家です。
トイレもお風呂も冷蔵庫もコンロもエアコンもテレビもあります。
ただ、ここに泊まれるのは有島さんの連絡先を知っている方限定です。
近くを走っている旅人を見つけると、連れて帰ってくることもあるとか…笑
でも、その気持ちわかります。
自分が旅中にもらった親切を誰かに返してあげたくなるんです。
有島さんは現在、息子さんと二人で黒豚の養豚業を営んでいます。
養豚場を見学させていただきました。
ここは出産直後の親豚と生まれたての子豚を飼育する豚舎。
生まれたての子豚でも結構大きいですし、活発です。
抱くとギャーギャー大きな鳴き声を出します。
こっちは少し大きくなった豚ちゃん。
成豚になると100kgを超えます。
見るからにデカい。突進されたら適わない大きさ。
有島さんの飼育してる豚は千頭を超えるそうです。
千頭を二人で管理しているとなんて…
大変な仕事です。
養豚場を見学していると、大きな謎の装置を発見。
これは豚の出す糞を分解する装置。
糞を分解して肥料にするそうです。
分解された糞は臭いも全くしないだたの土になっていました。
こちらは尿を分解する装置。
こちらも分解された尿は全く臭いもしない水になっていました。
さすがに飲めはしないそうですが。
小さな養豚場でも環境に配慮し、このような装置を設置するのが義務付けられているそうです。
貴重な体験をさせていただきました。
今までただなんとなく食べてきた豚肉も、しっかりと感謝して食べないと。
養豚場を見学させていただいたあと、
有島さんにどこか行きたいところはあるか尋ねられたので、
僕が行きたかった場所をリクエスト。
車で連れていってもらいました。
その場所は「鹿屋航空基地史料館」。
この史料館には昭和11年に鹿屋で開隊した海軍鹿屋航空隊から現在の海上自衛隊鹿屋基地に至るまでの豊富な史料が展示している場所です。
なぜこの場所に来たかったかというと、
それは「特別攻撃隊」について学びたかったからです。
特別攻撃隊と聞くと聞きなれないかもしれませんが、
いわゆる「神風特攻隊」です。
神風特攻隊の史料館としては、知覧にある史料館が有名ですが、
隊員の数ではこの鹿屋から出撃した隊員の数の方が多いんです。
残念ながら館内はこの復元された零戦しか撮影できません。
順路は2階から始まるんですが、
2階のフロアから膨大な数の史料が展示されています。
もう2階だけでも見応え十分。
そして、1階へ。
1階は主に特攻隊員の方の遺品の展示になっています。
亡くなられた908名もの特攻隊員の方の写真がずらっと並び、直筆の遺書や遺品も展示されています。
ひとつひとつ丁寧に展示品を見る。
写真には名前と出撃日と年齢が刻まれているんですが、
どなたも僕よりはるかに若い。
ほとんどが19歳〜22歳です。
一番若くて16歳の方がいました。
特攻作戦は家族でも一部にしか知らせてはいけない秘密裏の作戦。
その中で書かれた遺書という最後のメッセージ。
驚くほどみんな達筆で、文章もしっかりしています。
「お父さん、お母さん泣かないで、決して泣いてはいやです。ほめてやって下さい。」
「立派に男子の本懐を全うします。」
「俺は幸せだった。」
「死」を命令された作戦。
人間は死を目前にして、こんな文章が書けるんでしょうか。
ひとつひとつのメッセージを読んでいると、とてもじゃないけど平然が保てない。
キリキリと心が軋みます。
全部見終わるまでにはかなりの体力を要しました。
この鹿屋の史料館のいいところは、
決してこの特攻隊を美化していないところ。
淡々と写真や遺品が展示されています。
それを見てどう感じるかは、多くはこちらに委ねられているような展示の仕方です。
そう、これを見てどう感じるかは人それぞれ。
特攻隊がいいとか、悪いとか、
そういうことではなくて、
将来のある若い方たちが日本のために死んでいったという “事実” を知ることは大事なことです。
僕は鹿屋に来て、この史料館に来れてよかった。
連れてきてもらった有島さんに感謝です。
有島さんのお宅に戻り、晩ご飯。
今日の晩ご飯はなんと黒豚のバーベキュー!!
ホント何から何までありがとうございます。。。
今日も一日おかげさまの気持ちを大切に。
明日も一日とにかく安全第一。
おやすみなさい!
《↑クリックいただけると幸いです↑》