【70日目】天塩町(北海道)→稚内市(北海道)
朝起きて、外を覗けば天候はどんより。
雨は降っていないのは幸いにも、最近はこんな天候ばかり。
予報を見ると今日は一日通してこんな天候のようで。。。
待っていても仕方ないので朝8時、稚内目指して出発です。
引き続き「オロロンライン」を北上。
日本海側の強い海風を利用した風力発電の風車が並びます。
昨日のアップダウンが連続していた道のりとは打って変わり、
天塩町以降のオロロンラインはひたすらに平坦でまっすぐな道が続きます。
通る車もまちまち。
風の音と鳥の鳴き声しか聞こえない静寂な道。
自分が漕ぐ車輪の音さえうるさく感じるほどの異空間でした。
こんな道が40キロほど続きます。
晴れていたら、またさらに爽快感が味わえていたんでしょうが、
そんな高望みはしてはいけません。
稚内まで30キロを切ったあたりで濃霧に襲われます。
前が見えない。
車の危険ももちろんあるんですが、鹿などの動物が飛び出してきたらひとたまりもないので、
途中にあった休憩所でひと休み。
すると、同じ自転車日本一周中のおじさんと出会いました。
おじさんはなんと62歳!
しかも鹿児島出発で3ヶ月足らずで北海道まで辿り着いたド級の自転車乗りの方です。
おじさんに目的地を聞くと、なんと偶然にもいっしょの稚内でした。
僕はまだ宿を決めていなかったのですが、おじさんから「漁師の店」という宿を教えていただき、
おじさんといっしょの宿に泊まらせていただくことにしました。
ここからは、おじさんと共に稚内まで縦走。
久しぶりに複数での走行でした。
そして稚内市のノシャップ岬に到達!
あ、ここはまだ日本の最北端ではありません。
そして、今日の宿「漁師の店」に到着。
ここが本当にいい宿で。
一階は食堂になっており、二階で宿泊できるようになっています。
見てくださいこの手書きのメッセージの数々。
天井や壁にすき間なくビッシリ書かれています。
そのメッセージを読むと…
「また来ます!」
「最高の宿でした!」
「漁師の店ありがとう」
バイク旅から自転車旅まで様々な旅人のアツいメッセージが並んでいます。
これを読んだだけで、この宿がいかにたくさんのひとに愛されているか理解するのに十分です。
この後、実際に僕も実感することとなります。
まず、この宿がスゴいのがご飯です。
2500円で一泊二食付きなのですが、
夜ご飯に採れたてのウニ丼を提供してくれます!
普通ならウニ丼だけで2000円くらい取られます。
そして何よりもこの宿を経営されているご夫婦の人柄です。
漁師兼宿のオーナーをされている大将の旅人に対するアツい気持ちは、接しているだけで「また来たい」と感じるほどの熱量でした。
毎年、この宿に泊まるだけのために稚内を訪れるひとがいるのも理解できます。
全ての旅人を包み込むような宿です。
気づいたら、僕も宿の窓にメッセージを書いていました。
人望こそ、その人の人生の本当の価値かもしれない、そう感じました。
今日も一日おかげさまの気持ちを大切に。
明日も一日とにかく安全第一。
おやすみなさい!