【143日目】小笠原村(東京)《世界遺産:小笠原諸島》
昨日、母島に到着したのが16時頃。
船ははげしく揺れていて、母島に上陸してもしばらく体の揺れを感じるほどでした。
母島滞在中お世話になる「アンナビーチ母島ユースホステル」さんに先に荷物を運びます。
荷物を置いて、まずは母島を散歩。
母島に来てまず感じたことは、
父島でさえ都会だったんだなということ。
ここはもう異常なほどに時間がゆっくり流れています。
まさに「離島」。
飲食店や商店も数えるほどしかありません。
あるのは、広い空と青い海ときれいな空気とゆったり流れる時間。
何もないと言えば何もないです。
ただ、僕が住んでいた大阪にはないものが全て揃っていました。
何をするわけでもなく、夜まで宿のテラスでゆっくり過ごしました。
夜ご飯を食べたあと、
港の近くでウミガメとふれあえるイベントが開催しているという情報を聞き、足を運びました。
小笠原は日本最大のウミガメの繁殖地です。
少し時期はズレてしまっていましたが、7月あたりに行くと父島でも産卵を見ることができるそうです。
イベント会場では、ウミガメの繁殖に携わっているスタッフさんが丁寧にウミガメの生態などを教えてくださいました。
はじめてウミガメを間近で観察。
スタッフさんにウミガメの生態を聞くと、知らなかったことばかりでした。
例えば、
ウミガメは甲羅はあるけど中に入って身を守れないということ。首すら引っ込められません。
なので、亀は亀でも動きは俊敏です。
これが、今朝生まれたばかりのウミガメの赤ちゃん。
稀少な動物を実際に目で見て、触れて、確かめて、
そこからはじめて環境問題について考えるべきだと思いました。
なんとなくでは、結局なんとなくしか行動できない。
貴重な体験をさせていただいた後は、
ユースでゲストの方々と小笠原の地酒を飲む。
小笠原はラム酒が有名だそうなんですが、確かに美味しかった!
そして、翌日。
母島は2泊3日の予定。
もう明日の昼すぎには父島に戻ってしまいます。
なので、持ってきた自転車で母島を巡るチャンスは今日だけ。
まずは、母島一周のルートを確認。
母島は父島と違って、一周するルートはありません。
南北に一本道が走っているだけです。
ですので、まずユースのある沖港付近を出発して「北港」を目指し、
その後折り返し、沖港に戻った後に「都道最南端」へ向かい、
また折り返して沖港に戻ってゴールという流れになります。
これは旅の中での僕の変化なんですが、
旅をしていく上で何度も地図を見ている内に、
平面の地図を見ただけで大体地形がわかるようになってきました。
ジグザグで左右に波打つ道路はまず急な坂だという証です。
もう一度母島の地図を見てください。
全部やんけ!
またこのルート、父島と同様に母島が険しい道のりなことだけでなく、自転車乗りが最も嫌がる「同じ道をさかのぼる」を二度行わないといけません。
入港した時点で感じてはいましたが、母島も間違いなくしんどいです。
まー、ガタガタ言っても時間のムダなので、
入念なストレッチをして…
いざ!行かん!
えーっとね…
なぜこんなことをしてんねやろと思うほどにしんどい。
実は荷物は全部外しています。
運ぶ意味ないですから。
それでも序盤から容赦なし!
こんなん持たへんて。。。
そんなに距離を進んでいないのに、みるみる標高は高くなっていきます。
しかも、ありがたいことに快晴。
日差しも僕の体力を奪うのを手伝ってくれています。
一旦、登りきり下り坂。
急な下り坂を下っていても気持ちは複雑です。
なぜなら、帰りはコイツが牙をむくから。
北港はまだまだ…
キレイな景色が唯一のモチベーション。
持ってきた水分はこぼれてるんちゃうかと思うほどに、どんどん無くなります。
水分補給も大事ですが、それと同様に塩分補給も大事。
そういうときは台湾のコウさんに教えてもらったこのタブレットを食べて補給しています。
なんでコウさんに教えてもらっているんだというツッコミは勘弁してください。
そして、北港到着!
今日はなんだか疲れがたまるのが早い。。。
恐らく昨日飲んで夜更かししたせいです。
ホントこういうのは素直に翌日に体に出る。
ということで、北港にあった東屋で仮眠。
一時間ほど寝て再出発。
しばらくの間、来た道戻る苦痛を耐える。
でも散々登ったので、いじめてくれた登り坂は下り坂として味方してくれました。
スタート地点の沖港に戻り、次は南へ向かいます。
すみません。
ここから写真を撮る余力すらないほど体力を消耗してしまい、写真が撮れていません。
というのも、足がつり始め、
登り坂で何度も激痛にもだえていました。
なんとか都道最南端には到着したんですが、終盤はペダルを一回踏むごとに足がつるという地獄のループでした。
あまりの激戦に最南端到達後は、しばらく道路で横になる。
このまま帰ろうかと思いましたが、
南側の海も見ておかないと後悔すると思い、重い腰を上げ自転車では入れない道を進みました。
小笠原諸島は自然遺産です。
山の中に入る場合は外からの植物の侵入を防ぐため、
山の入り口には必ず靴の泥を落とすためのマットと器具が入ったボックスが設置されています。
これは山を出る際にも種の持ち出しを防ぐために同様に行います。
誰が監視している訳でもありません。
でも、こういう作業をひとりひとりが自主的にしっかり行うことで、小笠原の自然は保たれるのです。
そして、南の海を見るために山を進みます。
これが、南側の海!
北と南の端に行き、母島制覇!
ユースに帰るまでの道のりはペダルを踏むのが怖くて登り坂は全部押しました。
ユースではあまりの疲れにスライム状態。
ユースのスタッフさんに聞いたのですが、
母島はレンタサイクルを取り扱っているお店は存在しないようです。
なぜなら、坂が多すぎて自転車が使い物にならないから。
もう二度と母島に自転車では来ないでしょう。
今日も一日おかげさまの気持ちを大切に。
明日も一日とにかく安全第一。
おやすみなさい!
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