【34日目】にかほ市(秋田)→潟上市(秋田)
昨日の晩も道の駅「ねむの丘」で連泊。
そこで同じ自転車旅をしているお兄さん(しりとりに参加いただいています)に出会います。
同じ大阪出身で年も2コ上と同世代だったので、瞬時に意気投合。
お兄さんは沖縄出発で海岸線にこだわらず日本を縦断して旅をするプランのようです。
旅の経緯やこれまでの道中の話をいろいろ話しました。
「あの峠キツくなかった?」
「あの海岸線は絶景でしたね」
「あの道は気をつけた方がいいで」
経験者の方には出会ったことはあったんですが、今まさに自転車旅中のひとには初めて出会ったので話は尽きません。
夜遅くまで話していました。
翌朝、
お兄さんと僕はルートが違うのでここでお別れです。
旅が終わったら大阪で飲む約束をして、出発しようとすると、
宮城から来られていたあるご夫婦に話しかけていただきました。
二人とも自転車旅中だということを話すと、
「昨日キャンプ張ってこのお肉焼いて食べようと思ったんだけど、風が強くて結局食べなかったんさ。あげるから二人で食べ!」
聞くと仙台の有名な精肉店のお肉みたいなんです。
牛タンも入ってる!!
これから別のルートで出発するつもりだった二人でしたが、
せっかく二人で食べるようにいただいたお肉だったので、
目的地をいっしょにして夜に落ち合うことに。
夜食べるお肉を楽しみにして出発!
しかし、
今日の走行は旅始まって以来、最大の試練が待っていました。
信じられないくらいの強風だったんです。
今まで向かい風は何度も経験しましたが、
比べ物にならないくらいの逆風。
ハンドルはぶれるし、
車体はあおられるし、
まともに目も開けていられない。
そして漕いでも、前に進んでいかない。
プラス海側から気まぐれに吹く風も強くて、車道側に押し倒そうとしてきます。
殺す気か!
約束の道の駅までは約80キロ。
急に途方も無い距離に感じだします。
走ってすぐに、完全に心を折られました。
それでもとにかく進みます。
平坦な道でも坂道並のエネルギーを要しながら、
とにかく少しづつ進みます。
でも、全っ然進まない。
10キロ進んだら休憩を取り、
甘いものを食べ、エネルギーに変えて再出発のくり返し。
でも皮肉にも風はどんどん強くなる一方なんです。
60キロ進んだ地点で、足が限界に達します。
コンビニで行く手を阻む風に若干キレながらふてくされていました。
でも、この自転車旅のいいところは、
どんなに疲れていようが、心折れようが、泣き言言おうが、
結局、自分の足を使わないと解決しないところなんです。
当たり前ですが、イヤなら辞めればいいだけの話。
最後に行きつく答えは、“前に進まないと終わらない”。
過去何度もこのループをくり返してきました。
残り10キロで手前の道の駅「あきた港」に到着。
お兄さんと約束していなかったら確実にここを宿にしていました。
約束しているので行かないと。
残りのエネルギーカスを絞りきり、
やっとの思いで道の駅「てんのう」に到着。
遅れること2時間。
お兄さんも到着。
第一声が「今日ヤバくなかった?」
お兄さんもヘットへトの様子でした。
スーパーで買い出しをし、
二人で並べてテントを張り、
待ってましたメインイベント!!
その頃には図ったかのように風はピタリと止んでいました。
そして肉!!
信じられないくらいおいしかった!!!!
宮城のご夫婦に本当に感謝です。
このお肉を使って、焼きそばを作ったんですが、
冗談抜きで
この旅で一番おいしいご飯でした。
満天の星空を眺めながら、
おいしい肴と冷えたビール!
その感動の強さは、軽く今日のしんどさを一蹴していました。
今日も一日おかげさまの気持ちを大切に。
明日も一日とにかく安全第一。
閲覧ありがとうございました!